ICL(眼内コンタクトレンズ)とレーシックが眼鏡やコンタクトレンズが不要になる眼科治療であることは、なんとなく知っている方もいると思います。しかし実際その違いを説明できる方は多くありません。どちらが自分に合った治療法なのか判断できない方も多いでしょう。今回は似ているようで違う、ICLとレーシックの効果や見え方、リスクなどの違いを解説します。両方の違いを比較して、どちらが最適な治療法なのか検討してみてください。
ICLとは
ICL(アイシーエル・眼内コンタクトレンズ)は、角膜と水晶体の間にレンズを挿し込んで視力を回復する眼科治療です。近視や乱視を矯正し、改善します。米国FDA、日本の厚労省の認可を得ている安全な治療法です。
レーシックとは
レーシックは、角膜に専用のレーザーを当てて屈折力を調整し、近視・遠視や乱視を矯正する眼科治療です。米国FDA(医薬品局)の認可を得ており、世界中で多くの人が手術を受けています。日本でも2000年に厚生労働省からの認可を受けて、広く普及してきました。現在最もポピュラーな治療法です。
ICLとレーシックとの違い
ICLとレーシックは、近視・遠視や乱視を矯正する点では同じですが、手術の方法が違います。前述したように、ICLは眼の虹彩の後ろにレンズを挿入する治療法で、レーシックはレーザーを用いて角膜を調整する治療法です。
効果や見え方などを、以下の表で比較しました。
効果や見え方などを、以下の表で比較しました。
ICL | レーシック | |
---|---|---|
効果の持続性 | 半永久的 | 近視戻りの可能性がある |
見え方の質 | 鮮明にみえる | よくみえる |
適用条件 | 対象視力・角膜の厚さの適用範囲が広い | 近視が-10D以上、角膜が400μm以下は適用不可 |
かかる時間 | 15〜20分程度 | 10分程度 |
リスク | 感染症・白内障のリスクあり | 合併症・後遺症のリスクあり |
もとに戻せる | ◯ | ✕ |
コスト | 460,000円〜 | 154,000円〜 |
効果の持続性
ICLは半永久的な効果の持続性があります。眼内に入れたコンタクトレンズは取り替えやお手入れが不要の一生ものといえます。レーシックの効果も基本的には半永久的ですが、生活習慣などによって近視が戻ってしまう可能性があり、再手術を受ける方もいます。
見え方の質
両者は見え方にも違いがあります。ICLもレーシックも視力回復ができる治療法ですが、ICLのほうがより鮮明にみえるといわれています。ICLのレンズは精密で、クリアで立体感があり、夜景などもきれいにみえるでしょう。
適用条件
レーシック手術は、日本眼科学会のガイドラインにより、-10D以上の強度近視の場合は手術ができないことになっています。角膜の厚さも400μm以上ないと適用となりません。ICLの場合は、これらに関係なく手術が可能な適応範囲が広い治療法です。
かかる時間
手術にかかる時間は、ICLが約20分、レーシックが約10分です。いずれも時間がかからず、施術中は麻酔で痛みを感じないためストレスの少ない治療法です。どちらも日帰りの手術ですが、レーシックの方が回復時間が早く、翌日には視力が回復し、裸眼での生活が可能となります。生活の制約も少なく、デスクワークなどの室内作業に限り翌日の検診終了後から復帰ができます。
術後のリスク
ICLは、感染症やまれに白内障を引き起こすリスクが考えられます。ICLは角膜と水晶体の間にレンズを入れるため、水晶体にダメージを与えてしまうリスクがあり、白内障につながるケースがあります。また重度の場合は白内障手術をする可能性もあります。
レーシックは、合併症と後遺症などが残るリスクがあります。特にドライアイやハロ・グレア現象、近視の戻りなどが挙げられます。
ごくまれにケラトエクタジアという角膜不正乱視を発症することもあります。
手術に絶対安全はありませんが、事前の検査と医師とのカウンセリングで回避できるリスクも多いです。
レーシックは、合併症と後遺症などが残るリスクがあります。特にドライアイやハロ・グレア現象、近視の戻りなどが挙げられます。
ごくまれにケラトエクタジアという角膜不正乱視を発症することもあります。
手術に絶対安全はありませんが、事前の検査と医師とのカウンセリングで回避できるリスクも多いです。
もとに戻せる
ICLの特徴として、再手術をしてレンズを取り出せばもとに戻せる点があります。見え方が納得いかない場合などは、もとの状態に戻すことが可能です。将来的に別の眼科治療をする場合も、必要に応じて取り外して治療を受けられます。
一方、レーシックの場合、一度削った角膜はもとに戻せません。近視の戻りによる再施術は、角膜の厚み次第で可能な場合もあります。
一方、レーシックの場合、一度削った角膜はもとに戻せません。近視の戻りによる再施術は、角膜の厚み次第で可能な場合もあります。
コスト
ICLとレーシックを比較すると、レーシックのほうが安価で受けやすい治療法です。ICLは約460,000円〜、レーシックは約154,000円~の価格帯です。ICLについてはレンズ代も発生します。点眼薬などのアフターケアは必要となりますが、基本的にいずれもメンテナンスは不要で、通常の眼鏡やコンタクトと違い、ランニングコストもかかりません。
ICLとレーシック、どっちを選べばいい?
ICLとレーシックはそれぞれ特徴が異なります。
上記で紹介した違いを踏まえて、自分に合った治療法を検討することが大切です。
上記で紹介した違いを踏まえて、自分に合った治療法を検討することが大切です。
費用を抑えて視力回復したい:レーシック
費用をなるべく抑えたい方はレーシックが適しています。ICL・レーシックともに視力回復と近視・遠視・乱視を改善する効果がある点においては同じですが、大きく違うのはコストです。レーシックは10万円代から受けられます。術後は眼鏡やコンタクトも不要になるため、ランニングコストも抑えられるでしょう。
早めに仕事に復帰したい:レーシック
休みが取りづらい人や、早く効果を実感したい人などは、レーシックが向いています。ほとんどの場合、翌日には視力が回復して裸眼で過ごせます。手術翌日の検診後には仕事に復帰できます。しかし、ICLについても手術翌日の検診後に復帰可能なことから、大きな差はないといえます。
乱視や強度近視でレーシックが適用でない:ICL
ICLは適応範囲が広く、レーシックでは適用できない強度の乱視・近視もカバーできます。角膜の厚さが足りずに適用外となった場合も同様です。レーシックが適用されない場合に、ICLの治療法を提案するケースが多くあります。
高品質な見え方にこだわりたい:ICL
より質の高い見え方にこだわる方は、ICLが適しています。レーシックと違って角膜を削ることがないため、角膜の収差(わずかな歪み)が生じることがありません。精密なレンズによって、クリアで鮮やかな視界になります。職業により安定的な視力が必要な方や、よく目を使う方はICLがおすすめです。
ICL・レーシックをご検討の方へ
ICLとレーシックは、近視・遠視・乱視を矯正して視力回復する治療法です。
似ているようですが、効果の持続性や術後の見え方など違いがたくさんあるため、比較検討をしてみてください。
新宿近視クリニックでは、日本眼科学会に認定された眼科専門医が手術を担当いたします。ICL・レーシックの症例も豊富です。「どちらが適応になるのかわからない」「ご自身では判断できない」という方も、ご希望を伺って検査したうえでご提案させていただきます。ICL・レーシックをご検討中の方向けに、院長による無料説明会もおこなっております。まずはお気軽にご相談ください。
似ているようですが、効果の持続性や術後の見え方など違いがたくさんあるため、比較検討をしてみてください。
新宿近視クリニックでは、日本眼科学会に認定された眼科専門医が手術を担当いたします。ICL・レーシックの症例も豊富です。「どちらが適応になるのかわからない」「ご自身では判断できない」という方も、ご希望を伺って検査したうえでご提案させていただきます。ICL・レーシックをご検討中の方向けに、院長による無料説明会もおこなっております。まずはお気軽にご相談ください。
監修医師紹介
経歴
2001年
北海道大学医学部卒業 北海道大学眼科学教室
2003年
手稲渓仁会病院
2007年
北海道大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得
2008年
University of Southern California,Doheny Eye Institute留学
2011年
新宿近視クリニック入職
関連記事
カテゴリ
- ICL
- ICLは角膜を削らずに視力回復が可能で、眼の中にレンズを入れます。メンテナンスも不要です。
- レーシック
- レーシックとは、角膜を専用のレーザーで削り、屈折率を調整することで視力回復を図る治療法です。