ICL
2023-07-20(記事公開日)
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ICL手術は緑内障でも可能?適応条件や手術後になった場合についても解説

ICL手術は緑内障でも可能?適応条件や手術後になった場合についても解説

そもそもICL(眼内コンタクトレンズ)手術とは

ICLは、視力の回復を目的とした屈折矯正手術のひとつです。屈折矯正手術で有名なものとしてレーシック手術が挙げられますが、レーシックのように角膜を削らず、眼内に特殊なコンタクトレンズを挿入することがICLの特徴です。

クリアで立体感のある見え方になるという利点があり、また術後に何らかの不具合が起きた場合にレンズを取り除くことができるのも大きな特徴です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)の適応条件について

ICLの適応条件については、日本眼科学会屈折矯正委員会の「屈折矯正手術のガイドライン(第7版)」に基準が定められています。

基本的な適応条件

18歳以上で近視の度合いが安定していることが基本的な適応条件です。近視の度合いは、6D以上15D以下が基準とされています。また3D以上6D未満の近視および15Dを超える近視への手術は慎重に対応することとされています。

ICL手術が受けられない方

ICL手術の実施が禁忌とされるものに、以下のような項目が挙げられています。
  • 外眼部・内眼部に活動性の炎症のある方
  • 白内障の方
  • 重症の糖尿病やアトピー性疾患など、創傷の治癒に影響を与える可能性の高い疾患を抱える方
  • 妊娠中または授乳中の女性
  • 進行性円錐角膜、浅前房および角膜内皮障害
ICL手術は眼内レンズを挿入するために3mm程度の切開をともないます。その傷に影響を与えうる疾患を抱えていたり、手術により症状が悪化するような疾患があったりする場合には手術を受けられません。

適応に検討が必要な方

ICL手術の実施に「慎重を要するもの」としては、以下のような項目が挙げられています。
  • 緑内障
  • ドライアイ
  • 向精神薬の服用者
  • 角膜ヘルペスの既往
  • 屈折矯正手術の既往
上記のほか、老眼の方への手術も検討が必要です。

手術に切開をともなうこと、またICLは長期間にわたる装用を想定しているため、眼や身体の状態によっては術後に合わなくなる可能性もゼロではありません。そのため、手術の実施前には必ず適応検査を実施しています。

治療の流れについて詳しくは「ICL(眼内コンタクトレンズ)の治療の流れ」をご覧ください。

緑内障の方のICL(眼内コンタクトレンズ)手術には慎重な判断が必要

緑内障は眼圧により視神経が傷んでいき視野が狭くなり、徐々に視力も低下していく病気です。眼圧を下げて視神経の減少を食い止めることが大切です。

緑内障を抱える方へのICL手術は、視野の欠損が軽度であり、かつ眼圧のコントロールに問題が無ければ実施可能です。

ICL手術を検討している方は、必ずかかりつけの眼科医に相談をして診断をしてもらいましょう。ICLは長期装用を想定しているため、慎重な判断が必要です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後に緑内障になってしまった場合の対処法

ICL手術で眼内に挿入したレンズは、術後に取り出すことが可能です。そのため術後に白内障や緑内障などの疾患を抱えてしまった場合でも、レンズを取り外して治療を受けることが可能です。

まとめ

ICLの概要、ICL手術の基本的な適応条件、また緑内障の方への実施は慎重な判断が必要なことなどをご説明しました。

緑内障は、日本では失明原因の第一位となっていますが、現在の視野や眼圧に大きな問題がなければICL手術の実施は可能です。

ICLを検討する際は、緑内障が現在よりも進行しないように、かかりつけの医師に必ず相談するようにしましょう。

ICL(眼内コンタクトレンズ)について
詳しくはこちら

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監修医師紹介

経歴

  • 2001年

    北海道大学医学部卒業 北海道大学眼科学教室

  • 2003年

    手稲渓仁会病院

  • 2007年

    北海道大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得

  • 2008年

    University of Southern California,Doheny Eye Institute留学

  • 2011年

    新宿近視クリニック入職

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